物理的対策④ データセンターに関する物理セキュリティ対策

データセンターは、各種IT機器(サーバー、ストレージ、NW機器など)がラックと呼ばれる機器搭載用の架に垂直方向に乗せられ、多数のラックが一つのフロアに設置される構造になっています。

このようなフロアを複数有する建物が、ビルごとデータセンターとして構築されています。

必要な電力や空調、通信用のケーブルも集中的に配備されており、日常的な運用は、ビル内の1力所に集中されたオペレーションルームあるいは遠隔から行なわれる構造になっています。

このような構成をとることで、大量のIT機器の運用を効率的に行なえる仕組みを提供しているのです。

通常、データセンターは何らかの工事が必要なとき以外は無人で運用されます。

データセンターには、高価なIT機器と重要な情報が保持されるため、通常の施設やオフィスに比べ、より高いレベルの情報セキュリティ対策が要求されます。

データセンターを設置する場所の環境設計面での配慮として、自然災害の危険が少ない場所(洪水、地震など)、空港や主要道路に比較的近い場所、電力、水などのユティリティーの供給が得られやすい場所に設置する、といったことが必要です。

また、建物、施設に関しては、「データセンター自体への入館可能な入り口は目立たないように表示などは行なわず、かつ1力所に集中させ、警備員のチェックを受けてから入館する」、「入館にあたっては連れ込み防止用の扉を準備し登録された者以外は入館できないようにする」、「IT機器が設置されている部屋への通常の入り口は1力所に制限し、生体認証などを併用した入退室制御を利用すると同時に監視カメラによる監視を行なう」などといった仕組みがとられます。

また、火災に対する消火設備に関しては、IT機器が水に弱いことから特殊な消火剤(代替フロンガスを使用したものなど)を利用したシステムなど、他にもさまざまなセキュリティ対策が行なわれています。

データセンターはIT機器を集中的に配備することで、電力消費量の削減や人的リソースの省力化といった利点があります。

一方で、極めて重要な施設となることから情報セキュリティ対策にも十分に配慮する必要があるといえます。

データセンターのセキュリティ対策

  • サーバー動作監視
  • 常駐警備員
  • 侵入警報
  • 人感センサー
  • 継続的なビデオ監視
  • 生体認証入退室システム
  • 耐震補強されたサーバーラック
  • UPSバックアップ用発電機
  • 冗長構成による冷暖房空調システム
  • ガス系消化システム

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