情報通信総合研究所のレポートによると、2012年にはバングラディシュとインドの間でサイバー戦争状態にあったとの報告がなされています。
2012年2月にはバングラディシュのハッカー集団が、インド政府に対してサイバー戦争の宣戦布告を行ない、インドの重要なサイトを含む約2万5000サイトを攻撃したとされています。
反対に、バングラディシュの証券取引所や通信会社など重要な国家機関、企業のサイトらは、インドからの攻撃を受けたと報じられています。
インドとバングラディシュは国境を接しています。
バングラディシュの複数のハッカー集団は、インドの国境警備隊が無実のバングラディシュ市民を残虐な方法で殺害したことへの報復であると主張。
同時に、インド政府に対してバングラデイシュヘのサイバー攻撃停止、国境での無実のバングラディシュ市民殺害行為をしないことなどといった7項目の要求を突き付けました。
要求が聞き入れられない場合には、インドの金融機関やITセクターなどの重要インフラに対し、さらに大きな攻撃を仕掛けるとしています。
一連のサイバー攻撃に対して、バングラディシュ政府が同国のハッカー集団に対応するのは難しいと伝えられています。
背景には、インドへのサイバー攻撃にパキスタンや中国、中東諸国など、他国の多くのハッカーが便乗、またはバングラディシュのハッカーに協力している可能性があるといわれています。
インドは過去に、中国・パキスタンらとサイバー戦争を繰り広げており、かつてインドからサイバー攻撃を受けた諸外国が、バングラディシュに協力していたのではないかといわれています。
日本ではあまり知られていないかもしれませんが、世界中でこのような攻撃の応酬が常態化している現実があるのです。
インドとバングラディシュ間のサイバー戦争はまさしく「しっぺ返し」、「やられたらやり返す」といった状況でした。
このように報復合戦に発展することも、サイバー戦争の特徴の一つといえます。
この様に隣国同士の争いや、感情のもつれがサイバー戦争に発展してしまうのではないかと考えられています。
サイバー戦争は社会・経済活動にリアルに影響を与えることから、サイバー空間だけの問題では済まされない場合もあります。
企業内で十分なセキュリティ対策をおこなっていたとしても、社会・経済活動にまで影響が及ぶ様なサイバー戦争に巻き込まれる可能性も十分にあります。
この様な場合に備えたセキュリティリスク対策を考える必要があるのです。
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