行政機関における個人情報の管理方法
マイナンバー制度では、行政機関において個人番号に紐付けて個人情報が管理されることになります。
今まで各行政機関で管理されていた個人情報は、引き続き各行政機関で管理(分散管理)され、必要なときだけ一定の条件を満たすことを前提に照会・提供のやりとり(情報連携)がなされるため、個人情報が行政機関により一元的に管理されるわけではありません。
マイナンバー制度における個人情報の管理(分散管理)
×:番号制度が導入されることで、各行政機関等が保有している個人情報を特定の機関に集約し、その集約した個人情報を各行政機関が閲覧することができる『一元管理』の方法をとるものではない。
○:番号制度が導入されても、従来どおり個人情報は各行政機関等が保有し、他の機関の個人情報が必要となった場合には、番号法別表第二で定められるものに限り、情報提供ネットワークシステムを使用して、情報の照会・提供を行うことができる『分散管理』の方法をとるものである。
マイナンバー制度に関係する法令
マイナンバー制度に関係する主な法令に、マイナンバー関連4法があります。
マイナンバー関連4法とは、番号法、整備法、システム機構法、内閣法等改正法のことを指します。
番号法
マイナンバー制度の主たる内容について定める法律。
整備法
マイナンバー制度の導入に伴って関係する36の法律の一部を一斉に改正する法律。
システム機構法
地方公共団体システム機構について定める法律。
同機構は、地方公共団体が共同して運営する組織で、番号法の規定による事務等を地方公共団体に代わって行い、その行政事務の合理化に寄与することを目的としています。
内閣法等改正法
マイナンバー制度の導入に伴って内閣法等の一部を改正する法律。
番号法と個人情報保護法令の関係
番号法では、多くの個人情報が個人番号に紐付けされており、その取扱いにより慎重を期す必要があるという特質を踏まえて、個人情報保護法令の内容に、個人番号を含む個人情報の取扱いについて追加し、修正を加えています(番号法1)。
個人情報保護法の第1章から第3章で、民間企業、国の行政機関、独立行政法人等地方公共団体のそれぞれに通ずる個人情報の取扱いに関する基本理念等が定められています。
より具体的な取扱いは、民間企業については個人情報保護法(第4章から第6章)、国の行政機関については行政機関個人情報保護法、独立行政法人等については独立行政法人等個人情報保護法、地方公共団体については各地の個人情報保護条例に定められています。
マイナンバー制度に関係する用語とその意味
- 個人情報
生存する個人に関する情報であって、その情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別できるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)
【番号法2③、個人情報保護法2①】
- 個人番号
番号法の規定により、住民票コードを変換して得られる番号であって、その住民票に記載された者を識別するために指定されるもの
【番号法2⑤】
- 特定個人情報
個人番号(個人番号に対応し、その個人番号に代わって用いられる番号、記号その他の符号であって、住民票コード以外のものを含む。)をその内容に含む個人情報
※個人番号が記載された扶養控除等申告書等の書類や、源泉徴収票を作成するためのシステムに保存された個人上番号を含むデータは、特定個人情報にあたります。
【番号法2⑧】
- 個人情報ファイル
個人情報を含む情報の集合物であって、特定の個人情報について検索することができるように体系的に構成したデータや書類等
【番号法2④】
- 特定個人情報ファイル
個人番号をその内容に含む個人情報ファイル
【番号法2⑨】
- 個人番号利用事務
行政機関、地方公共団体、独立行政法人等の行政事務を処理する者が、その保有する特定個人情報ファイルにおいて個人情報を効率的に検索、管理するために必要な限度で個人番号を利用して処理する、番号法第9条第1項又は第2項に定められた事務
【番号法2⑩】
- 個人番号関係事務
個人番号利用事務に関して行われる他人の個人番号を必要な限度で利用して行う、番号法9条第3項に定められた事務
【番号法2⑪】
- 個人番号利用事務実施者
個人番号利用事務を処理する者、及び、個人番号利用事務の全部又は一部の委託を受けた者
※民間企業が個人番号利用事務の委託を受けた場合、個人番号利用事務実施者として個人番号を取り扱うことになります。
【番号法2⑫】
- 個人番号関係事務実施者
個人番号関係事務を処理する者、及び、個人番号関係事務の全部又は-部の委託を受けた者
※民間企業が個人番号を取り扱う場合、主に個人番号関係事務実施者として取り扱うことになります。
【番号法2⑬】
- 個人情報取扱事業者
個人情報ファイルを取り扱う事業者であって、一定の要件(当該ファイルで識別される個人の数の合計が過去6カ月以内に一度でも5,000を超えたこと)を満たす者
※個人情報保護法(第4章から第6章)が適用されます。
【個人情報保護法2③】