収集・保管・廃棄とは? 休職、退職、出向etcの場合の個人番号の取り扱い

休職者の個人番号

従業員が休職している場合、退職が未定であっても雇用契約が継続しているため、個人番号を継続的に保管し続けることができます。

 

 

育児休業・介護休業取得者の個人番号

休職時と同様に、事業者と育児休業・介護休業取得者の間に雇用契約が継続しているため、個人番号を継続的に保管して良いと解されます。

 

 

退職者の個人番号

通常、退職者の個人番号については不要になると考えられますが、退職後に繰延支給される賞与が給与所得に該当します。

源泉徴収票の作成が必要な場合には、繰延支給が行われなくなることが確認できるまで個人番号を保管することができると解されます。

従業員の定年退職後、再雇用した場合や、個人番号を記載した書類の法令上の保存期間内に再雇用したといった場合、事業者は改めて本人確認のうえ個人番号を取得するのではなく、新たな雇用関係に基づいてその従業員の個人番号を継続して保管できると考えられます。

 

 

海外への赴任者・海外からの赴任者の個人番号

一度個人番号の指定を受けた人が国外へ転出し、日本に再入国した場合でも、個人番号は変わらず転出前と同じ番号を使用することになります。

そのため、従業員が海外赴任する場合も休職の場合と同様に、雇用契約が継続していることから、個人番号を継続的に保管し続けることができると考えられます。

 

外国人であっても、日本国内に住民票を有する場合は、個人番号が付与されます。

事業者は海外から赴任してきた外国人従業員の源泉徴収票作成等、個人番号関係事務のため必要があるので、個人番号を取得して保管することができます。

 

 

出向者転籍者の個人番号の保管

出向者は、出向元との雇用契約を維持したまま、出向先とも雇用契約を締結して業務に従事するものと解されます。

出向元と出向者の雇用契約が継続していることから、出向元は個人番号の保管を継続することができます。

 

転籍者は、転籍先と雇用契約を締結し、転籍元との雇用契約は終了しています。

そのため個人番号関係事務処理は必要ないので、転籍元に法令上の保管義務が課せられていなければ、転籍者の個人番号を廃棄しなければならないことになります。

 

 

出向者転籍者の個人番号の提供

出向者・転籍者の個人番号を、出向元・転籍元の事業者が、出向先・転籍先の事業者に提供することは、番号法 第19条で認められていない為できません。

出向先・転籍先は、個人番号関係事務のために個人番号を取得する必要がある場合には、本人から直接提供を受ける必要があります。

 

従業員の出向元・転籍元の事業者が、出向先・転籍先の事業者と委託契約又は代理契約を交わして個人番号関係事務の一部を受託しており、出向者・転籍者から番号の告知を受け、本人確認を行うこととされている場合には、出向元・転籍元の事業者が改めて本人確認を行った上で、出向先・在籍先の事業者に個人番号を提供することも認められます。

 

 

合併に伴う個人番号の承継

合併、その他の事由による事業の承継に伴った個人番号の収集は番号法 第20条、第19条5号により認められています。

存続会社として吸収合併を行う場合、消滅会社が保管している個人番号を収集することは可能です。

 

 

まとめ

休職者、育児休業・介護休業取得者、退職者、海外への赴任、出向者・転籍者といったケースについて見てきました。

いずれの場合にも、事業者との雇用契約が継続しているのかどうか・給与の支給があるのかどうかが、個人番号を継続保管して良いかどうかのポイントと言えるでしょう。

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