ブラックマーケット「Silk Road」事件 ビットコインを利用したケース

ここでは仮想通貨ビットコイン、Webサイトを利用した麻薬や偽造カードなどの違法取引を行なっていた事件についてみていきます。

事件の概要

2013年10月、匿名の利用者が仮想通貨ビットコインを使って違法薬物などを購入することができるインターネット上の売買サイト「Silk Road」をアメリカ連邦捜査局(FBI)が閉鎖したと報道されました。

同サイトを運営していた容疑者は、麻薬の不法取引、コンピュータへの不正侵入、マネー・ロンダリングなどの容疑で逮捕され、当時360万ドル相当のビットコインが差し押さえられました。

容疑者は2011年2月に、ブラックマーケットサイト「Silk Road」を開設し、主な売買として違法薬物の販売を行っていました。

しかし、その他にも偽造運転免許証や盗まれたクレジットカド、児童ポルノなども売買され、殺人請負さえも行っていたといいます。

このサイトは徹底した匿名性と仮想通貨を組み合わせており、数千人に及ぶ麻薬の違法販売者がこのサイトを通して数百kgもの違法薬物を売買していました。

世界中から90万人以上がサイトに利用登録しており、総計で約950万ビットコインの取引仲介、約61万ビットコインの仲介手数料を得ていたといいます。

当時のビットコイン価値で換算して、2億ドルの取引と7980万ドルの仲介手数料ということになります。

同サイトの特徴は、資金の流れが追跡されにくい仮想通貨「ビットコイン」を利用していたことです。

ビットコインは、オンライン上の仮想通貨として、円やユーロ、アメリカドルなどと簡単に交換することができました。

通貨だけでなく、Torと呼ばれる接続経路を匿名化した通信チャンネルを使用していたため、特定が難しかったといわれています。

事件の背景

Silk Roadの原型となったサイトといわれている「Farmer’s Market」というブラックマーケットサイトがあります。

こちらもTorによるネットワークの匿名化は行なっていましたが、仮想通貨ではなく、PayPalという少額決済システムを利用していました。

続いて、Silk Roadが閉鎖された直後に開設された後継サイトが「Si lkRoad2.0」といわれています。

しかし、チャットのログやテキストの否暗号化、SNSなどの公的なWebサイト、サーバーへの自動ログインなどから、容疑者が特定されて開設後間もなく逮捕、閉鎖となりました。

これらの事件では、どのサイトも最終的に閉鎖されており、現在では違法な取引を続けることができなくなっています。

しかし、高い匿名性のネットワーク接続と仮想通貨を組み合わせることによって、ブラックマーケットが開設し利益を上げられるという前例が出来てしまったといえるかもしれません。

ビットコインはこうした負の側面がクローズアップされたことで破綻へ向かいました。

しかし、今後も別の方式を組み合わせて同様のブラックマーケットを作ろうとする動きが出てくるとも予想され、警戒が必要です。

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