インターネットとは、「ネットワークを繋いだネットワーク」を意味しています。
そもそものネットワークを構成しているものはコンピュータ。
もちろん、携帯電話やスマートフォンもコンピュータです。
コンピュータのネットワークを相互に繋いだネットワークがインターネットなのです。
基本的にコンピュータ同士の通信は、0,1で表現されたビット列をやり取りすることで行なわれます。
これがデジタル情報です。
情報の交換は、このデジタル情報をある一定の塊として、パケットという単位でコンピュータ同士がやり取りすることで行ないます。
パケットに送信元と受信先のコンピュータを識別するアドレスを付けて、ネットワークの間を転送をすることで、最終的に目的のコンピュータに情報が届くという仕組みです。
インターネットは、コンピュータ同士で互いにパケットをリレーしていく仕組みを拡張することで発展してきました。
しかし、この方式では相互に接続されているコンピュータのまた先に、どんなコンピュータが接続されているのか事前に設定しておくことによって、情報の転送処理をスムーズにお互いに通信することが可能でした。
ところがコンピュータの台数が増えると、この方式では「パケットをどこに送れば最終的に宛先に届けることが可能か?」という情報をやり取りすることが複雑になってしまいました。これでは実用的ではありません。
そこで考えられたのがルーターです。
ルーターは主にコンピュータ同士の通信を專門に処理するコンピュータで、すべてのコンピュータはこのルーターに接続される仕組みが生まれました。
ここに宛先を書いたパケットを送り、ルーターが宛先のコンピュータにパケットを送るという方式に変わっていきました。
この際、一つのルーターで構成されるコンピュータ群を一つのネットワークとして見ることができます。
こうしたネットワークを具体的に構成する技術は、さまざまなベンダーのものが開発・実装されてきました。
そのため必然的に、個別に開発されたネットワークを相互接続する必要が出てきました。
そこで登場したのが、TCP/IP (Transmission Control Protocol) とも呼ばれるインターネットプロトコルです。
インターネットプロトコルは、個別に開発されたネットワークに接続されたコンピュータを、相互に接続すルーターめの通信規約です。
インターネットプロトコル規約
①インターネットに接続されているコンピュータを特定すルーターめのアドレス付与方法及びこれに基づいてルーターを介してパケットを転送すルーターめの手順(Routing)
②パケットの形式(Format)
③パケットを送信側、受信側のコンピュータ同士でやり取りするときの手順
基本的にはこれらの規約が定められています。
この規約を守ってさえいれば、個々のネットワークの構成は自由に構成でき、逆に言えば個々のネットワークの実装にできるだけ影響を与えないような必要最低限の規約に絞る、というコンセプトが貫かれています。
現在、インターネットに繋がっているコンピュータは、PC、携帯端末なども入れ、数十億台以上あると想定されており、誰もその正確な数を把握してはいないでしょう。
そんな膨大な台数のコンピュータですが、相互に接続できルーターめの最低条件が取りまとめられていることで、現存のネットワークとして機能しているのです。
インターネットの本質的な脆弱性。
インターネットは、ネットワーク同士のネットワークで、個々のネットワークが個別に構築されていても、それぞれがインターネットのプロトコルを守っていれば、互いに接続することが可能です。
情報をバケツリレー的に個々のネットワークが受け渡していくことで、通信が行なわれる仕組みになっています。
アドレスやルーチングといった仕組みは共通のものを用いる必要がありますが、インターネット全体を運用、管理している組織は無く、個々のネットワークの相互信頼の上に成り立っているシステムなのです。
この様な仕組みになっているのには、もともとインターネットが研究目的のネットワークを相互に接続する技術として開発されたことに起因します。
インターネットの開発が始まった時点での接続相手は、よくわかっているネットワーク同士でした。
しかし、インターネットは急速に世界中に広がっていき、本質的な脆弱性を抱えたまま膨大なネットワークが相互接続され現在に至りました。
インターネットの本質的な脆弱性は、匿名性にあるといえます。