拡大するアンダーグラウンドマーケット
サイバー犯罪の敷居が低くなっていることが、サイバー犯罪件数の増加理由の1つとなっています。
アンダーグラウンドマーケットの急速な拡大がその原因として考えられます。
この事から、あまりITに詳しくない者においてもサイバー攻撃を実行可能になってしまったのだとみられています。
このアンダーグラウンドマーケットは、ディープウェブ上に多く存在しています。
利用者の多くは犯罪シナリオ設計者(統括者)、ツール開発者、営業、リセラー(再販業者)、ユーザーなど様々です。
このディープウェブとはGoogleやYahooといった検索エンジンでは見つからないウェブサイトのことです。
そして、ディープウェブ上にあって、匿名ウェブブラウザでのみアクセスできるのがダークウェブと呼ばれるものです。
ほとんどが登録制のサイトで、マルウェアなどの攻撃ツール売買、ディスカッションが行われているそうです。
扱われる商品やサービスが似ていることもあり、ダークウェブはディープウェブと同義に捉えられることがありますが、ダークウェブはより閉鎖的な環境で運用が行われることで、より強固なプライバシー保護がなされている点が特徴の1つと言えます。
ダークウェブの世界
匿名ウェブブラウザのみでしかアクセスのできないダークウェブの世界では、検索エンジンをも特有のサービスを活用するそうです。
例えば、ダークウェブ上でのGoogle的な存在と言えば、GramsやCandleなどを指し、それで検索するだけで、違法商品を扱うウェブサイトを簡単に見つけることができるのです。
例えば、著名なアンダーグラウンドマーケットの1つであるAlpha Bay Marketは、見るだけで違法性が伝わってくるような文字列である事がわかります。
これらのマーケットにはサイバー攻撃を行うためのツール群も売買されており、一部のサイバー犯罪者らは、これらを利用しているそうです。
未公開の脆弱性などがこれにあたります。
プライバシー保護を目的としてダークウェブが利用されることもあり、ダークウェブ上の全てのサイトが違法性のあるものではありません。
実際にFacebookを始めとする企業でも、ダークウェブ上にもウェブサーバを設置するケースが存在します。
このFacebookにおいては、ダークウェブを介したアクセスユーザーが1,000,000人を超えるのだそうです。
それだけダークウェブは身近な存在になってきているのです。
裏を返せば、違法性の高いウェブサイトにアクセスすることができるユーザーの増加が示されているともとれます。
もちろん、このことがサイバー犯罪の増加に直結するとは言い切れません。
しかし、サイバー犯罪に近しい環境が身近なものになってきていることは間違いないでしょう。