法定調書関係の個人番号について③

個人番号が必要となる場合(不)

不動産の使用料等の支払調書・不動産の譲受けの対価の支払調書・不動産の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書について個人番号が必要となる場合とは

1.不動産の使用料等の支払調書

不動産の使用料等(不動産の賃借料等)を支払う法人又は不動産業者である個人(主として建物の賃貸借の代理や仲介を目的とする事業を営んでいる者を除く)は、同一人に対する不動産の使用料等の支払金額の合計が年に15万円を超える場合、不動産の使用料等の支払調書を税務署に提出しなければならない(ただし、法人に支払う場合は、権利金、更新料等のみに関する支払調書を提出する)。

2.不動産の讓受けの対価の支払調書

不動産の讓受けの対価を支払う法人又は不動産業者である個人(主として建物の賃貸借の代理や仲介を目的とする事業を営んでいる者を除く)は、同一人に対する不動産の讓受けの対価としての支払金額の合計が年に100万円を超える場合、不動産の讓受けの対価の支払調書を税務署に提出しなければならない。

3.不動産の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書

不動産の売買又は貸付けのあっせん手数料を支払う法人、又は、不動産業者である個人(主として建物の賃貸借の代理や仲介を目的とする事業を営んでいる者を除く)は、同一人に対する不動産の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払金額の合計が年に15万円を超える場合、不動産の讓受けの対価の支払調書を税務署に提出しなければならない。

4.番号法施行後の新様式

番号法施行後に用いられる新様式では、不動産の使用料等の支払調書・不動産の讓受けの対価の支払調書・不動産の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書には、支払者の個人番号又は法人番号、支払を受ける者の個人番号又は法人番号、あっせんをした者の個人番号又は法人番号を記載する欄が設けられるため、支払者はこれらを記入して、税務署に提出することになります。

なお、支払を受ける者に支払調書の写しを交付する場合には、支払者、支払を受ける者及びあっせんをした者の個人番号は記載できません。

個人番号の取得方法(不)

報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書に記載する個人番号の取得の際と同様に、個人番号を取得します。

地代等の支払に伴う支払調書の作成事務の場合は、賃料の金額により契約の締結時点で支払調書の作成が不要であることが明らかな場合を除いて、契約締結時点で個人番号の提供を求めることが可能であると解されています。

また、前の賃貸借契約を締結した際に支払調書作成事務のために提供を受けた個人番号については、後の賃貸借契約に基づく賃料に関する支払調書作成事務のために利用することができると解されていま

す。

支払調書の作成提出後の保管(不)

報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書と同様に、個人番号を保管します。

土地の賃貸借契約等の継続的な契約関係にある場合は、支払調書の作成事務のために継続的に個人番号を利用する必要が認められることから、特定個人情報を継続的に保管できると解されています。

不動産の讓受けや、不動産の売買、又は貸付けのあっせんでは、継続的な契約関係や契約関係の反復が予定されないことから、継続的に個人番号を利用する必要が認められず、取引先の個人番号を速やかに廃棄又は削除しなければならないと解されます。

配当・剰余金の分配及び基金利息の支払調書について個人番号が必要になる場合と対応

配当・剰余金の分配及び基金利息の支払調書とは、支払確定日(記名)又は支払った日(無記名)から1カ月以内に、利益の配当、剰余金の分配又は基金利息の支払をする法人が、納税地等を所轄する税務署長に提出する書類です。

自社で株主管理を行っている事業主は、自社の業務として各株主のマイナンバー(個人番号)、法人番号を取得して、支払調書に記載する必要があります。

ガイドラインでは、非上場会社が、株主に対する配当金の支払に伴う支払調書を作成する場合、支払の確定の都度、個人番号の告知を求めることが原則であるが、当該株主が株主としての地位を得た時点で個人番号の提供を求めることも可能であると解されるとされています。

全株主から個人番号や法人番号の提供を受ける方法については、株主総会の招集通知にて個人番号又は法人番号の提供を求めることが考えられます。

なお、剰余金の分配及び基金利息の支払調書については、3年間の猶予規定が設けられています。

まとめ

税務分野に関する様々な書類に個人番号を記載することが予定されています。

ここでは、法定調書関係の書類について取り上げました。

法定調書関係の書類で個人番号の記載が予定されているものには、

  1. 給与所得の源泉徴収票
  2. 退職所得の源泉徴収票
  3. 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書
  4. 不動産の使用料等の支払調書・不動産の讓受けの対価の支払調書・不動産の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書
  5. 配当、剰余金の分配及び基金利息の支払調書

があり、ここではD・Eの書類について取り上げています。

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