個人番号法の施行により様式が変更された健康保険に関する書類に、適用関係に関する届出書と給付関係に関する申請書があります。
適用関係に関する書類は、厚生年金保険に関する書類と共用のものが多く、
- 資格取得届
- 資格喪失届
- 被保険者報酬月額算定基礎届
- 被保険者報酬月額変更届
- 被保険者賞与支払届
- 育児休業等取得者申出書(新規・延長)/終了届
- 育児休業等終了時報酬月額変更届
- 産前産後休業取得者申出言
- 産前産後休業終了時報酬月額変更届
については、厚生年金保険に関する書類の項目で説明したのと同様の手続きを取ります。
適用関係に関する書類については、
①健康保険被扶養者(異動)届/国民年金第3号被保険者関係届について説明します。
また、給付関係に関する書類については、変更が予定されている書類は原則として被保険者が提出者とされています。
個人番号が必要となる場合と対応(健①)
健康保険に関する手続のうち、適用関係に関する書類について個人番号が必要となるケースとその対応。
厚生年金保険関係書類の提出先である年金事務所が、全国健康保険協会による「協会けんぽ」に関する健康保険の加入や保険料の納付の手続も行っているため、厚生年金保険関連事務(適用関係)の書類と健康保険関連事務(適用関係)の書類は多くが共用されています。
厚生年金保険に関する資格取得届資格喪失届、報酬月額算定基礎届、報酬月額変更届、賞与支払届等に関する申出言の様式は、「協会けんぽ」の健康保険に関するこれらの手続と共用の1枚の用紙となっています。
全国健康保険協会(協会けんぽ)加入の事業主は、厚生年金及び健康保険の上記手続について、1枚の用紙を年金事務所に提出することで行うことができます。
他方、企業等が設立する健康保険組合に加入する事業主は、厚生年金保険に関する手続は年金事務所に対して行い、健康保険の加入や保険料の納付に関する手続は各健康保険組合に対して行います。
個人番号を記載する手続(健)
健康保険の被保険者である従業員は、扶養家族に増減があった場合、健康保険被扶養者(異動)届を提出する必要があります。
扶養親族のうち一定の要件を満たした国民年金第3号被保険者である配偶者は、その資格取得・喪失等について、国民年金第3号被保険者関係届を提出する必要があります。
健康保険被扶養者(異動)届及び国民年金第3号被保険者関係届は、いずれも従業員を使用する事業主を経由して提出されることとされています。
番号法施行後の新様式では、協会けんぽの被保険者については、これらの健康保険被扶養者(異動)届と国民年金第3号被保険者関係届が、共用の様式となっています。
健康保険被扶養者(異動)届/国民年金第3号被保険者関係届には、以下の者について個人番号を記載する欄が設けられています。
①従業員(健康保険の被保険者/国民年金の第2号被保険者等)
②配偶者である被扶養者(健康保険)/③第3号被保険者等(国民年金)
④その他の被扶養者(健康保険)
②と③は同一人物(従業員の配偶者)の個人番号であるため、届出用紙上では、1カ所の個人番号欄に記載することとなっていますが、個人番号の利用目的が異なるため、区別しています。
②と③については、本人確認の方法が異なることとなります。
すなわち、②については、従業員が配偶者である被扶養者の個人番号を取得し、届出害に記載し、事業主に提出します。
そのため、②についての本人確認は従業員が行い、事業主は行う必要がありません。
③については、配偶者(第3号被保険者等)が、事業主に提出するものであるため、事業主は、これを従業員を介して受け取る場合は、配偶者(第3号被保険者等)の本人確認をする必要があります。
まとめ
個人番号法の施行により、社会保障分野に関する様々な書類に個人番号を記載することが予定されています。
ここでは、社会保障分野の中でも、事業者が取り扱うことの多い、雇用保険に関する書類、厚生年金に関する書類、健康保険に関する書類の中の健康保険に関する書類について説明しています。