自社が個人番号利用事務等の受託者となる場合には? 留意点と安全管理措置水準

個人番号利用事務等を受託する場合の留意点

事業者が個人番号利用事務又は個人番号関係事務を受託する場合には、番号法に基づき、委託者自らが果たすべき安全管理措置と同等の安全管理措置を講じなければなりません。

 

 

従業員100人以下の場合の安全管理措置の水準とは

従業員数が100人以下の事業者のうち、委託に基づいて個人番号利用事務又は個人番号関係事務を業務として行う事業者等を除いた事業者のことを中小規模事業者といいます。

中小規模事業者については、安全管理措置の要求水準について特例が設けられ、負担が軽減されています。

 

従業員が100人以下であっても、個人番号関係事務や個人番号利用事務を業務として受託しようとした場合には、中小規模事業者に該当しないこととなります。

その場合、中小規模事業者として要求される安全管理措置の水準を満たせば足りることにはなりません。

 

個人番号利用事務又は個人番号関係事務の受託者は、番号法に基づき委託者自らが果たすべき安全管理措置と同等の安全管理措置を講じる必要があります。

委託者が中小規模事業者である場合を除いて、ガイドライン別添資料に定められた通常の安全管理措置の水準を満たす必要があります。

 

 

委託者と受託者の安全管理措置水準とは

ガイドラインでは、事業者が個人番号関係事務を受託する場合、番号法に基づき受託者自らが果たすべき安全管理措置と同等の安全管理措置を講じる必要があるとされています。

これは、委託者が実際に講じている安全管理措置と同等の措置を求めている訳ではなく、委託者が番号法、その関係法令及びガイドライン等に従って満たすべき水準の安全管理措置と同等の安全管理措置を求めているものです。

したがって、委託者である大手企業が番号法等に従って満たすべき水準を超えて高度の安全管理措置を講じている場合、受託者もこれと同等の安全管理措置を講じなければならないものではありません。

 

 

再委託を受けた事務の再々委託

個人番号関係事務の再委託を受けている場合に、この事務の一部を他の業者に再々委託することも可能です。

仮に受託事業者をX社、再受託者をY社、再々受託者をZ社としましょう。

番号法10①②により、Y社がZ社に再々委託を行うにあたっては、委託者の許諾が必要となります。

これにより、大元の委託者による再々委託先選定等への監督が可能になります

この場合、受託した個人番号関係事務について満たすべき安全管理措置の水準は、X社、Y社、Z社のいずれも、大元の委託者が番号法等に従って満たすべき安全管理措置の水準です。

 

 

まとめ

本項では、 事業者が個人番号利用事務又は個人番号関係事務を受託する場合について見てきました。

受託者は、どういった水準の安全管理措置を講ずるべきなのかよく確認しましょう。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする