厚生年金保険に関する書類と個人番号①

厚生年金保険に関する手続きにおいて個人番号が必要となる場合と対応(厚)

従業員を採用したときの手続「被保険者資格取得届」

法定の適用事業所に使用される70歳未満の者は、原則として厚生年金の被保険者とされています。

従業員を採用した場合等、新たに厚生年金保険に加入すべき者が生じた場合に、事業主は、事実発生から5日以内に、「被保険者資格取得届」を事業所の所在地を管轄する年金事務所に提出します。

新様式の被保険者資格取得届には、被保険者ごとに個人番号を記載する欄があります。

従業員が退職・死亡したときの手続「被保険者資格喪失届」

従業員が退職又は死亡した場合等、厚生年金保険の資格を喪失する者が生じた場合に、事業主は、資格喪失日(その事実があった日の翌日)から5日以内に、「被保険者資格喪失届」を事業所の所在地を管轄する年金事務所に提出します。

新様式の被保険者資格喪失届には、被保険者ごとに個人番号を記載する欄があります。

従業員の報酬月額の届出、変更等を行うときの手続

「被保険者報酬月額算定基礎届」

被保険者の標準報酬月額は、実際に受けた報酬にあわせて毎年9月に決定し直されます(定時決定)。

事業主は、7月1日現在で使用している全被保険者の3か月間(4~6月)の報酬月額について「被保険者月額算定基礎届」を、毎年7月10日まで(年によって前後する場合があります)に、日本年金機構の事務センター又は管轄の年金事務所に提出します。

新様式の「被保険者報酬月額算定蟇礎届」には、個人番号の記載欄が設けられていますが、記載が必要なのは、70歳以上の被用者に限られるとされていますので注意が必要です。

被保険者報酬月額変更届

被保険者の報酬が、昇(降)給等の固定的賃金の変動に伴って大幅に変わったときは、毎年1回行う定時決定を待たずに標準報酬月額を見直します。

事業主は、被保険者の報酬の大幅な変動があった場合は、「被保険者報酬月額変更届」を、速やかに、日本年金機構の事務センター又は管轄の年金事務所に提出します。

新様式の「被保険者報酬月額変更届」には、個人番号の記載欄が設けられていますが、記載が必要なのは、70歳以上の被用者に限られるとされていますので注意が必要です。

産前産後休業終了時報酬月額変更届

産前産後休業終了日に当該産前産後休業に係る子を養育している被保険者は、一定の条件を満たす場合、随時改定に該当しなくても、産前産後休業終了日の翌日が属する月以後3か月間に受けた報酬の平均額に基づき、4か月目の標準報酬月額から改定することができます。

事業主は、産前産後休業終了時に当該産前産後休業に係る子を養育している被保険者から申出書の提出を受けた場合は、「産前産後休業終了時報酬月額変更届」を、速やかに、日本年金機構の事務センター又は管轄の年金事務所に提出します。

新様式の「産前産後休業終了時報酬月額変更届」には、個人番号の記載欄があります。

育児休業等終了時報酬月額変更届

育児・介護休業法による満3歳未満の子を養育するための育児休業等、終了日に3歳未満の子を養育している被保険者は、一定の条件を満たす場合、随時改定に該当しなくても、育児休業終了日の翌日が属する月以後3か月間に受けた報酬の平均額に基づき、4か月目の標準報酬月額から改定することができます。

事業主は、育児休業等終了時に3歳未満の子を養育している被保険者からの申出を受けた場合は、「育児休業等終了時報酬月額変更届」を、速やかに、日本年金機構の事務センター又は管轄の年金事務所に提出します。

新様式の「育児休業等終了時報酬月額変更届」には、個人番号の記載欄があります。

まとめ

個人番号法の施行により、社会保障分野に関する様々な書類に個人番号を記載することが予定されています。

ここでは、社会保障分野の中でも、事業者が取り扱うことの多い、雇用保険に関する書類、厚生年金に関する書類、健康保険に関する書類の中の厚生年金に関する書類について説明しています。

ここでは、個人番号欄が追加された書類のうち、以下の主な書類に関する手続きについて説明しました。

  • 従業員を採用したときの手続
  • 従業員が退職・死亡したときの手続
  • 従業員の報酬月額の届出、変更等を行うときの手続 

これらの書類についての個人番号の取得は、本人から直接取得した後、保管し、利用目的の範囲内で継続的に利用するもので、採用時や継続的取引における契約締結時に、あらかじめ考えられる利用目的を通知して、個人番号を取得し、その後、継続的に利用する業務フローとなります。

次項では、下記の項目について記載しているので、合わせて確認しましょう。

  • 従業員に賞与を支給したときの手続
  • 従業員が産前産後休業・育児休業を取得したときの手続
  • 70歳以上の従業員を採用又は従業員が70歳になったときの手続

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